昨日の夜中事件

最近帰りが遅くなることが多く
昨日も夜中の三時かそのくらいだったと思います。

そんな中、お風呂上がりに果物入りのゼリーを食べるのがなんとも贅沢だということでコンビニに寄ったわけです。
このお風呂上がりのゼリーは自分の中で流行らせようとしてまだ3回目くらいなもんですがなかなかいい。
もともとお風呂に入ることが億劫になりがちなので、その餌を自分で与えているとも解釈できます。
というかほとんどそうです。

とにもかくにも夜中の帰宅途中にコンビニに寄ったわけです。
コンビニに入って、買うものはもう決まっていたから迷わず突き進み、
一番奥の棚にある500mlの紙パック100%ジュースが並んであるのを横目に、ゼリーがちょろっと並んである棚にたどりついた。
一応ゼリーにも種類があるから、悩みたいところではあったが、眠たいせいもあって無難にフルーツ味をさっと取った。
無難にさっと取ったはいいけど、フルーツ味というものはいつも何と何と何のフルーツでできているのか。詳しい内容は分からないけど、フルーツ味といったらこの味というある種の普遍性はきちんと備えてある。
そんなきちんとしたフルーツ味のゼリーをとって足早にレジに向おうとしたとき、ふっと目の前を遮るものがあった。
あわてて止まるとそこに女性が立っていた。もうそこはレジで女性がお会計をしているところだったのだ。
なんというかつまりレジに並んでる二番目の人がものすごい至近距離で並んでいる状態をつくってしまったのです。

いや別にゼリーもって並んでるだけだしと開き直るか、
いやいやいや、いくらなんでもこれは近い、もう目の前は背中しかみえねえし、と一歩引くのか、

と考えているうちに、女性のお会計で最後のジョージアのHOT缶コーヒーがレジ打ちされた。
とその次の瞬間、女性はレジから手の届くHOTドリンクコーナーから同じジョージアの紫色した缶コーヒーを追加するではないか。

これはまさに夜道に地下鉄から降り、たまたま曲がる道曲がる道同じ方向で、たまたま同じ帰路を持った女性が突如足早になる状態に近しい。
というのも、HOT缶コーヒーを2缶寝る前にのむとは思えないし、朝まで取っておいたらぬるくなるどころか、今時期ならもう冷たくなってしまう。
「アピールだ」と思った。この女性は、真夜中に怪しい長髪の男がコンビニできちんとしたフルーツ味のゼリーだけを持って、レジの二番目のくせにやたらと(これはほんとにやたらと)接近したもんだから、「コンビニを出たあと追ってきても私はひとりじゃないわ!“あのひと”の分のコーヒーも買っていかなきゃ。」
ということを示したのだ。
これには参ったなあと。でも時間が時間だししょうがない。接近しすぎたのが悪かったのだ。

追加のコーヒーのお会計が終わり、このきまりの悪い雰囲気から開放されると思ったが、その女性はまだレジを動かずボソッと何か言った。
いや、こっちじゃなくて店員さんに向かってボソッと。

「700円以上買ったらくじ引けないんですか。」

「え?」そうだ。この間まで確かにやっていた。700円以上買ったらくじを引けて商品があたるやつだ。

「あっ、もうやってないです」と店員。足早に去る女性。

いやーよかった。追加のコーヒーは700円を超すための物でした。しかもくじはもうやってません。
あのHOTコーヒーの片一方は次の日の朝、冷たいコーヒーとして飲まれたんだろう。