良いお年を

「皆様、今年一年お世話になりました。来年もよろしくお願い致します。
それでは良いお年を。」

の“良いお年を”のあとって何なのかが気になる年の瀬です。
良いお年をお迎えくださいなのか、良いお年をお過ごしくださいなのか。

“良いお年をお迎えください”だったとしたら、良い年を迎えられたかどうかなんて来年の今時期にならないとわかんないわけだし、そのころにはまたその次の年のことを指して“良いお年をお迎えください”ってなことになって肝心の“良いお年”をいつ迎えられるのか一向にわからない。

かといって“良いお年をお過ごしください”ったって、あと二日しかないのにお気遣いいただきありがとうございますと、かしこまざるを得ない。

もしかしたら来る年を指して“良いお年をお過ごしください”ってゆう超長期スパンでみたあたたかい心遣いかもしれない。

それはそうと、いつ頃から言っていいか迷っているうちに、一年の最後でふっと現れて音も立てずに消えてゆく
“良いお年を”
ってゆう独特のあいさつの中に、儚さと曖昧さ故の人間らしさとか、あたたかさとか、なんとも言えない心地よさを感じる。
今年一年を走馬灯のように思い起こさせもするし、名残惜しい気持ちにもさせる。
そんな不思議で大切な挨拶なんだと改めて思う。

「それでは皆様、良いお年を。」